検察庁と警察庁の犯罪捜査フロー図

日本は、検察庁と警察庁の2段階による犯罪捜査体制を取っています。

これは中学生の社会科で習う内容かと思いますが、社会人となり日々の生活に追われていると、何となく曖昧になってしまうことって多いと思います。ですが、社会に「犯罪」が存在する限り、自分が「冤罪」を着せられ「逮捕送検」される事態は、常に想定すべきと思いました。

 

そのため、ここでは、犯罪事件が解決まで、どのようなフローになるか図にしてみました。

 

「犯罪事件」では、様々なケースが想定され、警察より送検された「被疑者が必ずしも有罪ではない」ため「真犯人の検挙」までは、「同一犯罪事件」で、「何人かの別の被疑者が送検」されることが前提となります。

「真犯人」が「極悪」で「手口が複雑」な事件などでは、警察に「こいつだ!」と思わせる「トリック」が仕掛けられることは十分にあります。

 

例えば、弁護士が「証拠」だと出して来た「証拠」が「捏造証拠」である場合も、実際にあります。それらの証拠で「逮捕」して、更に「事件として捜査をする」必要がある場合もあるでしょう。そのため、警察も、我々一般市民も、警察は「常に手探り状態から犯人を探る」必要があることを認識している必要があると思います。

上記の図の様に、警察の第一次捜査だけでなく、送検後、検察の第二次捜査を経て、被疑者に「犯罪の事実が有った」=「有実」の判断になった場合は、その「有実」に相当する、「処分」や「処罰」が必要です。

「起訴」とは、その「処分」や「処罰」の「度合い」を決めるための、「求刑手続き」を言います。そのため、「犯罪捜査」としては、「起訴」を持って「事件解決」となります。

 

一方、「不起訴」の場合は、警察の第一次捜査、送検後、検察の第二次捜査を経て、被疑者に「犯罪の事実が無かった」=「無実」の判断になった場合は、被疑者の「被疑事件は事件解決」で「終了」となります。ですが、殺人でも強盗でも強姦でも、「被害が存在する」以上「真犯人が検挙されていない」ことに変わりはありません。「犯罪事件として」は「終了していない」のです。

警察は、検察での上位捜査の結果を踏まえ別の被疑者の可能性や、事件を別の角度で見直す(怨恨や経済依存関係)など、一人目の被疑者の段階から、一歩先に進んだ段階で、捜査を継続する必要があります。

 

警察は、どうしても「TRY&ERROR(試行錯誤)」になってしまいますし、警察の「TRY&ERROR(試行錯誤)」については「社会的な理解」が必要と思います。「TRY&ERROR(試行錯誤)」しなければ、警察が、様々な可能性を潰しつつ、本当の「真犯人」には行き付かないでしょう。

警察庁は、国土交通省の「庁」であり、「犯罪捜査機能」は戦前は「検察庁」または「法務省」が全てを担っていました。戦後の混乱期に、早急なる「治安維持の回復」の目的から、一般社会に接点の多い警察が、逮捕権や捜査権を得て、分離独立したのが始まりです。

犯罪」とは「法律により定義される」ことからも、本来は、「犯罪捜査」は、本来、全て「検察庁」または「法務省」が管理運営すべきところです。戦後の「治安維持の回復」に加え、その後の「車社会」での「交通安全」や「治安維持」の為の巡回を通して、警察の方が「社会へ深く根ざして」いるからこそ、「捜査」や「逮捕」など「実行部隊」を担う「仕組み」が出来たといえます。

 

実際に「捜査」や「逮捕」で「動く」のが警察になります。場合によっては「命に関わる危険」に晒される仕事です。常々、大変な仕事を担って下さる方々だなと思います。

一方、不起訴後の事件は、犯罪事件としては「検察庁の管理下」に移っています。送検後、「不起訴」の場合は、「真犯人の検挙」については、検察が警察に「捜査協力」を要請するのが、法律上の仕組みとなっています。

そして、検察の「捜査要請」で、本来は「検察と警察の共同捜査が実質的に可能」になります。韓国ドラマなどでは、検察官が警察の刑事と一緒に聞き込みに行くなどのシーンもあります。 警察は、治安維持を担い、社会でカバーする範囲が非常に大きいと思います。「犯罪捜査」については、送検後は、検察が、警察に、積極的に「支援」しなければ、警察の「負担が大き過ぎる」ように、今回の事件を通じて感じました。

 

送検後は、本来の「犯罪事件」の管轄である「法務省」の下、検察庁から、警察庁へ、「具体的な指示」が本来は必要でしょう。被疑者が「不起訴」になるという事件は、やはり複雑性が高い事件である場合が多いのではないでしょうか? 

現状を鑑みますと、検察庁の、特に「刑事部」の「機能強化」と「拡大」が必要と思います。法律を巧みに利用した「悪質な犯行手口」は増加傾向です。それに十分に対応するには、警察の業務は、既に余りにも多岐に及んでいると思います。検察庁が「主体」となり「統括的な管理」する体制に戻らないと、犯罪の複雑化に追いつかない、厳しい時代になっているのかなと思いますね。